一人お茶会を開催していた

取りあえず、前提条件として

私:紅茶とカップが好きな小梨兼業主婦。
親の跡を継いで小さいながら医院長(世に言う若先生)

A:泥ママ:何故かうちによく来たがる
(一応親子ともに患者なので無碍に出来ないから病院では話す程度、かつて2度だけ家に上げた)


先日家で一人お茶会を開催していた。

久々の休診日ということもあり、ちょっと良い茶葉とお菓子でお気に入りのカップで孤独にお茶を飲んでいたら、誰かが家のチャイムをピンポンした。

我が家は病院と家は離れている作り(といっても歩いて3分ほど)。

基本的に患者は家に来ないので宅配便か何かと思いモニターを確認したらAだった。

A曰く「子供が熱を出したから診て欲しい」とのこと。

私たちには応召の義務があるし、普段通ってくれているしということで診ることにしたんだが、何故かここで診て欲しいという。

本当なら機材のある医院で診たかったのだが、

「うちの子病院まで動けそうにないの」

ということだからまぁしょうがないか…ということで家に上げて診た。

幸いA子は大したこともなく、抗生剤を処方する程度でどうにかなりそうだったので、処方箋を書きに病院へ行くためにこの時5分ほど家を空けた。

で、処方箋を書いて渡してAを送り出し孤独なお茶会を再開して、直ぐに気がついたのだがリビングのガラス戸棚に飾っておいた私の大切なカップが気がついたら2セット消えていた…。

そのカップはヘレンドというメーカーで、しかもそこの中でもハンドメイドでかなり高い。

国家試験合格時に一客、親の病院を継ぐ時に一客購入。

一客正規輸入で20万円ほど。

今は不況だからもう少し安いかもしれないが、決して安くない。

それよりも何より親の思いがこもっている。

それがないという事実に混乱してAが来ていたことなど忘れ、すわこれは泥棒か、と思って警察を呼ぼうと言うところでもう一度ピンポンがなった。

モニターを確認するとAとA姑が立っていた。

その手にはカップが………。

どうやらA、処方箋を書きに私が家を出た隙に泥したらしい。

しかしA姑と私の母は仲がよく、家でよくカップを見ていたから直ぐに気がついたらしく、返しに来たという。

後ろにはエッチングで私の名前が書いてあるから言い逃れも出来ない。

だがA謝らない。

お姑さんが米つきバッタみたいに謝る横でまったく反省もせず、それどころかふて腐れていた。

その態度に普段患者さんだし、と我慢していたが(結構医院の備品を持って行っていたことはスタッフから聞かされていたが、今まで言わなかった)堪忍袋の緒が切れて

「もう二度と診ない。紹介状を書くから他の病院に行ってくれ。カップは返してくれたらもうそれでいいから二度とうちには来ないで」

と告げたところA、逆上してカップをたたき割った。

そりゃそうかもしれない。

小児科を標榜しているのは田舎だから、あんまり無いし。

Aの子供はあまり体が強くない。

それはさておき先程書いたとおり、高価なものであることは当然だが、そこに詰まった思い出が綺麗に粉々。

その場で私、奇声を上げてAに掴みかかるも、ちょうど上から異変を察知して降りてきた父に止められてしまいAを殴ること叶わず。

取りあえずA、若先生(私)に休日というのに子供を診て貰って、金も払わず(まぁカルテ書いてないからそこはしょうがない…)それどころか大先生(父)から贈られた大切な物を泥棒した挙げ句破壊して悪びれない鬼母どころか、極悪非道の鬼として返品されたらしい。

余罪もぽろぽろあったらしく、私も私も、ということで大変なことになった。

……なんだか、ここであるパターンなんだけど、A夫と姑さんが非常に小さくなって可哀想になった。

結局お子さんは継続して診てるけど、なんて言えばいいんだろう。

あの時もっと私が冷静に対処していたらこんな事にならなかった、と心が痛い。

カップは弁償して貰わなかった。

Aの家の保険が切り替わっていたのでこの不況だし、何かあったんだろうな、って思ったから。

それと同じものを弁償して貰っても、もう二度と、「禁忌選んだかも…」って合格発表まで青くなった懐かしい思い出とか全部上書きされてAしか思い出せないだろうし、もういいやって思った。

それと病院じゃないところで診察はあとで親に怒られた。

そう言うことをするとキリがないから止めなさいと。

親も若い頃開業したての時は家でやったらしいけれど、公私の区別が付かなくなるからと。

ストレッチャーで運ぶ、というのは無理だった。

まず休診日で人がいない。

スタッフがいないのに(自分の親はいるけれど)通用門を開けて、ストレッチャー出して…は、きつい。

しかもうちは代替わりした時に夜間休日診療はやらないと決めていたのでストレッチャーの存在を正直失念していた。

あと、病院の備品の件は親に相談した時に

「一人の患者さんの後ろには3人患者さんがいると思いなさい」

(つまり諦めろ)と言われたので不問にしてた。

…ごめん、月末でレセプト診てたらA一家の名前を見て悲しくなってしまった。

ダメだ、もっと強くならないといけない。


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2017-07-15 14:12 : となりのキチさん : コメント : 0 :
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