知らない子が数人いて、ずーっといる

従姉妹の家はいわゆる本家筋でずーっと地域で一番のお金持ちだった(一応都内)。

私の家は電車で数駅の所にあって、そんなに近くも無かったけど時々遊びに行っていた。

でも行く度に毎回知らない子が数人いて、ずーっといる。晩ご飯までいる。

年齢も性別もまちまちで、従姉妹の友達とは思えない。

なんか、ただ、いるって感じ。

でも叔母さんとお手伝いさんがいつも甲斐甲斐しく世話をしていた。

最近になって聞いてみたら、昔はそういう地域の放置子は金持ちが面倒見てやるという、なんとない雰囲気があったんだそうだ。

貧しかったり訳ありだから仕方ない、っていう。

だから子供もそれを分かっていて大人しかったし、親も申し訳なさそうにいていたんだとか。

何の問題もなかったの?と聞いてみたら、やっぱりこちゃこちゃとした意地悪はされたって。

嫉妬なんだろうかね。叔母さん曰く、昔はそうやって訳あり家庭が多かったんだけど、今は何でもないおうちの子が「親が面倒がるから」って理由で来ちゃう。

そういう子はマナーもなってないし王様気取りで手癖も悪い。

問題行動が親子共に多いのでもう一切面倒は見ていないそうだ。

大きな門扉も普段閉ざして入れないようになってる。


そこまでするようになった切っ掛けは、未就学の頃から出入りしてるとある男の子の家庭だった。

ずっと従姉妹家が何くれと無く面倒を見ていて、親は共働きで確かに忙しいらしいんだけど、家まで送ってこいとか親の分も弁当包めとか、なんか勘違いしているようなので説教すると、

「地域の面倒見るのがお宅の仕事じゃないの?やるべき事やってよ、資産で楽してるくせに。運の良さを自分だけで遣って周りはほったらかしですか。罰当たりますよ」ときた。

どのみち小学校までしか面倒は見ないので(そこは何故だか厳密に線を引いていたようだ)それまではゼッケン付けから宿題、靴下のほつれまで、一緒に教えつつ面倒見たらしい。

で、その子は小学校卒業が近付いた。

そしてある日その子の親が怒鳴り込んできた。

「中学、どうしてくれるんですか!!」

意味が分からず、中学生は面倒見ませんよ?もう必要ないでしょう?と答えると、そうじゃなくて「中学に進学出来ない」という話だったそうだ。

私は子供がまだ小さいんで良く分からないけど、中学入学書類って各家庭と学校が連携して用意するものなんじゃなの?小学校側は願書にあまり関与しないのかな、確認とか。

その辺疑問なんだけど、とにかくそこのお家は従姉妹家が入学手続きや必要な買い物も全部やると思っていたみたいで、なーんにもしてなかったらしい。

周りや先生から聞かれても、ウチは大丈夫だから~って答えてたって。

でも、入学時期が近付いから周りがもう制服が教科書を用意してる事に気が付いて、何故うちには届かないんだろう?って不思議に思ったらしい。

なんで他所の子の為に他人がそこまでやると思うのか信じられないけど、従姉妹家を訴える、いやなら早く学用品用意して手続きしろこれはそちらの責任ですよ!って怒鳴り込んできた。

叔母さんはすぐに春休み中の小学校に電話して先生に来てもらって、後は門扉を閉じてノータッチ。

その子は無事中学に進学出来たけど結局親は離婚してしまった。

その子の母親は何度か慰謝料を請求してきたって。

子供を勝手に育てた、自分から奪ったって。

でも周り中から責められてそのうちいなくなった。

その後も従姉妹家の塀に落書きされたり嫌がらせはあって、母親かと思ったら息子の方だった。

従姉妹家に出入りしている小学生以下の放置子を虐めていたらしく、発覚した。


従姉妹家は、もう昔と違うんだな、ノブレス・オブリージュが通用する社会じゃないんだ。

自分たちがやった事は、駄目な人を甘やかして付け上らせる行為でしかなかったんだな、って事でそういうボランティア?は一切やめたんだって。

私と従姉妹は同じ年で30半ばなんだけど、確かに昔はそこまで変な奴はいなかったなあ。

いたのかもしれないけど、関わりがなかった(あからさまにおかしな家庭だったんだろうね)

今は、一見普通に見えるとんでもないキチが混じってて怖い。

今はその家には従姉妹夫婦が同居してるけど、放置子預かりは一切お断りしてるそうだよ。

入れるのは仲良しのお友達だけだって。

敷地内が公園みたいになっててプールもあるのに、数人の子だけで遊んでいるから夏休みは解放しろとか色々言われたらしいけど、全部突っぱねたってさ。

「私の家なので、誰をご招待するかは私が決めますので」って。


--編集補足--

ノブレス・オブリージュ
直訳すると「高貴なる者の義務」の意
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2017-06-29 22:42 : となりのキチさん : コメント : 0 :
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