泥棒親子

20年近くの前の話だが、いまだに忘れられない話がある。

当時、大学生だった私は近所のスーパーでバイトをしていたんだが、買い物カゴ満杯の清算にもかかわらず、レジに表示された金額は300円程度という客を発見した。

初めは清算後の追加会計かなと思ったんだが、その後も特定の客とバイトの組み合わせのみで頻繁に起きており、追加会計がない事を現認したため

『店員とグルのカゴ抜け』
と断定。

他のバイトと協力して、テレビの万引きGメンヨロシク現場を押さえて、犯人とバイトを同時確保したら、その二人は親子だった…


事務室で話を聞くと、子供の方は

「怪しまれているのは薄々感付いていたが、母親に頼まれてどうしても断れなかった。社員が付近にいないのでバレないと思った(社員はネクタイ・指定のブレザー着用。バイトは制服なし。)まさか一バイトの俺さんがそこまで証拠固めをしているとは思わなかった。」

母親については

「子供がバイトを始めた時からやらせていた。まさかバレるとは思わなかった…」と…

内偵している際に、私が把握している部分については記録紙を全て抜いていたので、被害金額は分からないがそれが証拠となり、常習性アリという事で警察にお持ち帰り。

後で聞いた話だと親子とも、鉄格子付きの新居に引っ越したらしい。

しかし母親は、泥棒をするだけでなく、子供にその片棒を担がせる事に対してどう思ったんだろう…

また子供は、そんな母親を見てどう思ったんだろう…

その日の勤務後に、常務が飲みに連れていってくれたんだが、何故か涙が出てきて、常務に

「将来、お前が子供の事で壁にぶつかった時にはその涙を思い出せ。お前はいい父親になれる。いや、ならなきゃいけないんだ。」

と言われて更に泣いたよ。

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2017-05-21 22:10 : となりのキチさん : コメント : 0 :
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