血まみれの弟とおばちゃんたち

20年ほど前の修羅場。

私の家族は両親と、兄私弟妹。

当時私は小学二年。

母と妹は近所のスーパーに買い物に行っていて、不在。

兄は部活で不在。

弟と私が家に残っていた。


集合住宅の一階だったので、家のすぐ前は広場のようになっていて、行けば大概誰かが遊んでいる感じ。

小学生になれば近所の公園に行くんだけど、未修学児はその広場で適当に遊んでる。

そこにはいつも大人や、ちょっと大きいお兄さんお姉さんがいて、小さい子たちを見ててくれている。

弟は当時四歳。

三輪車を引いて、うちの目の前の広場に行った。

私はトイレにいって家に鍵をかけてから弟を追いかけようと思っていたのだけど、私がトイレを出て鍵を首から下げたら、「ごめんね!」という声とともに玄関が開いた。

そこには血まみれの弟と近所のおばちゃんたち。

弟は頭から血を流しながらギャアギャア泣いている。
顔はなんか紫っぽい。


もうね、数分の間に弟が血まみれなんて、姉ちゃんパニック。

どうやら三輪車をこいでいたら溝に車輪がとられてよろけてころんで頭を打ったらしい。

おばちゃんたちにお母さんはどこかって聞かれても近所のスーパーに買い物行ってていないし、とりあえずタオルと氷!!って思って冷凍庫の製氷皿を丸ごととタオルを持っていったら、何故かおばちゃんたち、血まみれになった弟の服を破いていた。

脱がせるためらしい。

ここで脱がせる必要があるのかと疑問を持ちながらも、今はおばちゃんたちを信じるしかない。

タオルを患部に当てるとすぐにタオル真っ赤。
私泣きそう。

死ぬんじゃないかと思ったけど、普段から父が言っていた、

「泣いている内は大丈夫、泣かなくなったら本当に危ない」

という言葉を思い出した。

「大丈夫!大丈夫だよ!○ちゃんには泣く力があるから!」

と、弟に向かって叫び、何故かウルトラマンのビニール人形を握らせる。

ドタバタの中おばちゃんがスーパーに電話をしてくれて、母を呼び出し。

五分後に母登場。
私の記憶、そこまで。

弟が一人で玄関を出てから母が帰ってくるまでは鮮明なのに、ここから先はその日の記憶がない。

ただ、弟に何かあったら私の責任だ、ごめんなさいどうしようって思っていた。


幸い弟の怪我は大したことなく、二針縫って、頭の中に小さなハゲをつくって無事帰ってきた。

元気になった弟は、近所のおばちゃんたちにお気に入りのミッキーのシャツを破かれてしまったことが非常に悲しかったと言っていた。

痛みの中でミッキーのシャツを気にする余裕があったのか。

今では弟も立派な体育会系の筋肉男に育っている。

頭を打ったせいか、学校の成績も良かった。

おばちゃんたちが服を破いたのは他にも怪我がないか見るためだったのだなーと今になって思う。

そして、幼い子どもが留守番してたあの頃は平和だったのか、ただ単に田舎だったのか、うちの母が適当だったのか…

お腹に子どもができた今、我が子の成長を考えていたら思い出した。

長々と失礼。
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2017-04-15 14:02 : となりのキチさん : コメント : 0 :
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